「衣食住に寄り添う音楽」という視点がある。このMIXCDはまさにそういった機能性を持っている。ここで浮き彫りになるKREVAの音楽像は、もちろん単なるBGM然とはしていない。「映画音楽的なスコア感」や「アンビエント感」、「ヒップホップのビート感」が三位一体になったトラックメイカー・KREVAのシグネチャーが、本来の形で鳴り響くという音楽像である。収録曲は全18曲、約1時間。KREVAが繋げる楽曲は年代順ではない。M1「君の愛 Bring Me To Life」(2019年)から始まり、M2「あえてそこ(攻め込む)」(2017年)、M3「タンポポ feat. ZORN」(2021年)というように、時代を自在に行き来する。選曲も曲順も、KREVAの選定は速かったという。
ローファイヒップホップでもなく、チルホップでもなく、純粋なアンビエントでもない。ヒップホップのビートを骨格に持ちながら、映画音楽的な空間性と流麗なメロディが同居している。だからこそこの『BEST OF MIXCD NO. 3』は、飲食店でも、車の中でも、作業中の部屋でも、場を壊さずに空間を満たす。それはKREVAが音像のバランスにおいてもこだわったポイントである。
「トラックを作って、ラップもして、歌的な要素もあって──その全部がそろっている音楽が、一番自分らしい場所だと思っているんですよね。曲を作る日々の中で、ライブでお客さんをぶち上げる曲を作らなきゃいけないとか、そういうことだけになってしまうのは、正直つまらないと思っていて。静かな曲を出して、それをみんなが喜んでくれる世の中になってほしいなとも思っているし。『BEST OF MIXCD NO. 3』を作ったことで、主メロがないような渋いトラックへの憧れも強くなってきた。ただ、そこまでいくとポピュラリティから外れすぎてしまうので、そのバランスをどう取るかが次の課題でもあると思います」
昨年開催した「ラッパーと紙とペン」展が言葉の展示だったとすれば、この『BEST OF MIXCD NO. 3』は音の展示だ。食事の場、移動中、部屋の中──様々な場面に溶け込みながら、しかし場面に埋没しない形で鳴り続ける。その在り方もまた、KREVAが20年以上かけて積み上げてきたものと地続きだ。そうやって精度を上げてきたトラックが、今度はその声を脱いで、静かにそれぞれの空間へ広がっていく。
インタビュー&テキスト/三宅正一
EVENT
Signing Event
「BEST OF MIXCD NO.3」発売記念サイン会
6月18日(木)「BEST OF MIXCD NO.3」の発売を記念して、KREVAのサイン会の開催が決定しました。
サイン会にご参加いただくには、「BEST OF MIXCD NO.3」をご持参いただいた方、もしくは会場販売にてご購入いただいた方に限り、本作CDにサインをさせて頂きます。
会場内では本作品を、音の響きにもこだわった空間でお楽しみいただけるようになっています。
整理券を会場入口にて、15時より配布致します。整理券をお持ちでも、「BEST OF MIXCD NO.3」をお持ちでない場合はご参加頂けませんのでご了承ください。
会場でも「BEST OF MIXCD NO.3」CD販売を行います(クレジットカード、電子マネー、QRコード決済対応)。数に限りがございますので、購入希望の方は、整理券を配布する際に「購入整理券」を別途お渡し致します。お時間になりましたら販売をいたします。